活動レポート
「講演会」活動レポート 実施の様子一覧
かんきょう講演会「気候危機:偏西風と黒潮大蛇行からみた猛暑・大雨の仕組み」
※講座の様子
開催日時:令和7年2月2日(日) 14:00~16:00
開催場所:環境活動推進センター3階 講座室
講 師:三重大学大学院 生物資源学研究科 気象・気候ダイナミクス研究室教授 立花 義裕 氏
参加人数:37名
温暖化が具体的に地球の気象の仕組みにどのような影響を与えた結果なのか、また日本で多発する異常気象はどのような地球の変化によるものなのかなどについて、気象・気候ダイナミクスの観点から立花先生にお話しして頂きました。
偏西風は、北極と赤道付近の温度差が少なくなる速度が遅くなり進路が安定せず蛇行します。最近の異常気象をもたらしているのは偏西風の大蛇行によるものとのことでした。
まず、日本で異常気象が多発するのは、日本近海の海面水温が世界でも群をぬいて高いために大量の水蒸気が発生したことによること、そして海面水温が高いのは偏西風の大蛇行に引っ張られて黒潮が大蛇行した結果であることなどを解説して頂きました。他にも昨年、台風10号は進路を大きく変えましたが、これも偏西風の蛇行によって寒冷渦が発生し台風がその影響を受けたためとのことでした。
偏西風発生のメカニズムについての質問に対してもコリオリの力について身振りを交えてお話し頂き、気象ダイナミクスについて先生独特のスタイルによりわかりやすい講演会となりました。講演会終了後も質問の方が残り、先生には丁寧にお答え頂きました。(普及啓発委員:N.D)
無関心層が多数なのがよっぽど危険
世界中で日本が一番気象が異常。日本の海が世界一高温化しているそうです。それより無関心層が多数なのがよっぽど危険とのご指摘でした。気象が好きな人が増えることが解決への一歩。
日本近海の海面水温の上昇と異常気象

海⾯⽔温の上昇により豪⾬が発⽣していることなどは、⽇本近海の海⾯⽔温の上昇、地球の温度分布など気象状況を⽰す図を多く⽤いて説明していただきました。気象ダイナミクスの面白さに引き込まれる講演でした。